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2016年11月25日 (金)

Staff 平成19(2007)年度

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服部真和 Masakazu HATTORI


『やっぱりカレーはジャワカレー』

「利用者の感情別にみた飲食店に求められる空間的特性」
本研究では、利用者の感情別にみた飲食店の評価や嗜好、理想とする飲食店像を把握し、よりよい飲食店計画の知見を得ることを目的とする。研究の流れとしては、現在の飲食店空間の実態と女性の嗜好について把握した後、A)評価グリッド法を用いた感情別の飲食店評価、B)箱庭手法を用いた利用者の感情別飲食店像、の2つの実験結果から、感情別にみた飲食店に求められる空間的特性を把握し、計画的指針を示す。
実験より得られたキーワードをもとに、利用者が飲食店空間に求めている意識的項目・空間的項目は、
1)喜:普段では体験できない「特別な空間」、という印象 or おしゃれかつモダンな雰囲気が必要な要素である。例えば、間接照明を用いた照明計画や、仕切りにガラスを用いるなどの計画が挙げられる。
2)怒:自分の居場所を見つけられるよう、入り口から店舗全体が見えるような計画 or 話す相手と距離が近い座席形態が求められている。装飾はできるだけ感情を刺激しないような配慮をしつつ、黒や茶といった重いイメージの色を用いた色彩計画や、店舗を出るときのために明るい空間計画も必要である。
3)哀:周りの影響を受けたくない意識が強いため、被験者が「守られ感」を感じられる座席形態 or 哀しみの度合いにより異なる、飲食店に求める雰囲気や明るさ、装飾が大切な要素である。
4)楽:楽しい感情を妨げないよう、配膳やトイレまでの動線が明確に確保された計画 or簡単にテーブルを移動できる、一定のスペースを空けておくといった配慮のあるソファ席などの席形態のほうが良いと考えられる。また、窓から見える景色も同時に計画。
のようなものが挙げられ、被験者の飲食店に関する評価や、飲食店の理想像を感情別に把握することで、被験者の感情に合わせて求められる飲食店のあり方を考究した。
(文責 松浦史佳)

c0028578_16375259.jpg西尾崇志 Takashi NISHIO


『若かりしすとれーとへあー』

c0028578_16432649.jpg大西裕太郎 Yuutarou OONISHI


『あ~ めんどくせ~』

c0028578_16445492.jpg松井寛子  Hiroko MATSUI


『わたしってカワイイでしょ?そうでしょ♪♪』



c0028578_16461149.jpg伊藤昌博 Masahiro ITO


『with 大好きなじーちゃん』

「大須商店街の服飾店ファサードに対する人々の印象評価」
*研究目的*
服飾店建築において、商品価値を高めようとするための斬新なファサードに対する人々の印象評価について知見を得ることを目的とする。
*調査方法*
①大須商店街の服飾店を対象に、特徴があると思われるファサード正面からの写真を撮影を行う。
②色、素材、開口部の大きさ、ディスプレイなどの特性を鑑み、調査対象を10店舗に絞る。
③SD法を用いたアンケートを行う。服飾店舗の写真を見て、13項目の形容詞対に5段階で評価してもらう。
*結果・分析*
服飾店ファサードに対する印象評価
①各店舗と全体について因子分析を行い、寄与率の値から、”ほんわかした”、”規律的な”、”市場的な”、”開放的な”の4因子を抽出。
②形容詞対毎に店舗別形容詞対評価を算出し、評価傾向より店舗を類型化。形容詞対に対する評価傾向を鑑み、ほんわか、落ち着いた、活気のある、クール、バランスと名づける。
-好まれる服飾店ファサードのキーワード-
①店舗別に、「好き」と答えた被験者の形容詞対評価を算出。
②形容詞対における好み評価。以下は、「好き」と答えた被験者の割合。ほんわか59%、落ち着いた61%、活気のある18%、クール47%、バランス39%
*まとめ*
因子分析と店舗別形容詞対評価の結果から、ほんわか、落ち着いた雰囲気を店舗に持たせたい場合、「暖かい」、「やわらかい」、「親しみのある」、「広い」、「明るい」等に配慮し、これらと対照的なクールでは、「暗い」、「冷たい」、「固い」、「よそよそしい」等の配慮が考えられる。
(文責 長谷川尚美)

c0028578_16494910.jpg岩田秀斗 Hideto IWATA


『うん、まずいわこれ』

「飲食店の空間的特徴と窓のデザインに関する嗜好評価」
*研究目的*
 本研究では、特徴的な飲食店空間において、デザインの嗜好評価を分析し、飲食店の空間的特徴に適した窓デザインに関する知見を得ることを目的とする。
*研究・調査方法*
 ・既住研究にて収集した飲食店の図面から、壁面に対する窓面積比率を算出、分析。
 ・色数と明るさから店舗を類傾化し、タイプ(単色‐暗い、中間、多色‐明るい)の異なる3店舗を調査対象に選定し、3店舗の窓の大きさを3段階に加工した写真を用いて、嗜好評価アンケートを10代~50代の男女50人に実施。
*考察・結果*
・壁面に対する窓面積比率
 窓がないものや飛びぬけて窓が大きい店舗もあったが、比較的壁面に対する窓面積比率は20~30%であった。
・店舗別の窓デザインに関する知見
 <単色‐暗い>  店の雰囲気を生かした窓の計画が望まれる
 <中間>     外部からなるべく見えないように配慮しつつ、外の風景がみられること
窓とテーブル配置を合致させる場合、窓間の距離を適切にする
 <多色‐明るい> 光がしっかりと差し込むような大きさの窓を設けることが望ましい
(文責 佐野陽祐)

c0028578_16522669.jpg江崎徹 Tooru ESAKI


『わがしょうがいにいっぺんのくいなし!』

「利用者の感情別にみた飲食店に求められる空間的特性」
箱庭手法を用いた実験を行い、利用者の感情別にみた飲食店に求められる空間的特性を明らかにすることを目的とする。
縮尺1/15の模型を用いて喜怒哀楽の感情を想定してもらい、その感情時行きたい飲食店を自由に作成してもらう事で調査した。その結果以下のような要素が求められた。
喜) 友人、他の利用者と喜びを共有、にぎやかさ、おしゃれ、モダンな雰囲気、「普段よりも良い場所」
怒) 空間を感情の度合いによって遮断する、気持ちを静める、静かで温かみのある空間哀) 1人になりたい場合、誰かに手を差し伸べてもらいたい場合の空間、悩みを相談できる、落ち着き、静かさ、温かさ、気を紛らわす為の飲酒
楽) 友人、他の利用者と騒ぎ、共有できる、感情を妨げる不安要素が干渉しない、楽しさの増幅、にぎわい
この要求を満たすために喜、楽においては一人当たりの面積が広く、複数人での利用を考慮した座席計画、また窓を多く設置し、開放的な空間を計画。怒、哀においてはバータイプの飲食店、少人数での利用、視線の交流を避ける、飲酒ができる、感情を刺激しない装飾、入り口から店舗の全景が見える考慮をすると良い。
(文責 中村拓磨)
c0028578_1654421.jpg大家苗 Nae OOYA


『くるくるかーりーへあー』

「幼稚園における幼児の遊びを誘発する空間的要因-ブロック型製作遊具を用いたケーススタディー」
*本研究*
幼稚園における幼児の遊び行動を観察し、得られたデータを元に遊具を製作・設置する。その後、遊びの状況を分析することで、遊びを誘発する空間的要因を得ることを目的とする。
*調査方法*
1)5分毎に幼児の行為・位置をプロットし、遊びの全体像を把握した。
2)代表的と思われる遊びについて動画データから幼児の遊びの流れを把握した。
*結果*
代表的な遊びとして、4行為のハード的要因がある。
①とびうつる⇒ユニットの大きさや足場の連続といったユニット形状。
②ぐるぐるまわる⇒連続したユニット配置による回遊性により引き出される。
③ぶらさがる⇒つかみやすい形状であり、高さ空間にゆとりがあることが必要。
④ていたい⇒せまい・座れる空間といった存在により引き出させる。
この他、幼児がアクセスしてくる方向をへこませることで遊具へのアプローチがしやすくなり、同じレベルの面が連続している途中にとび出ているものを配置することで、行為が変化する。
*考察*
行為と場所の関係を把握することで、遊びに必要と思われる空間的要因に関する知見を得た。遊びを誘発するには、遊具の固定、足場の面積確保が前提となり、凸凹があることで遊びが多様化すると考えられる。遊びが活発になるほど、事故が起きる可能性が高くなるが、遊びの中で幼児自身が危険を体感することも、大切な遊びの一つである。
(文責 長谷川万記)

c0028578_16552251.jpg田上菜美 Nami Tagami


『いいえ私はさそり座のおんな♪』

「岐阜市玉宮町界隈の服飾店における内装の特徴と利用者評価」
~目的~
本研究では、服飾店の内装に着目し、その構成要素(内装の特徴と利用者評価のかかわり、服飾店の魅力を高めるような内装)を把握することとした。
~調査方法~
そこでまず、先に挙げた知見を得る為に岐阜市玉宮町界隈における若者向け服飾店の什器数(多い⇔少ない)・色(黒っぽい⇔白っぽい)を分類化した。その中で典型的と思われる4店舗を調査対象とし、内装の写真を撮影し、その写真から、①特徴的な構成要素、②全体の明るさ(3段階評価)について、アンケート調査を行った。
~調査結果~ 
①特徴的な構成要素:全体的な意見として、構成要素の量は「普通」程度が好まれる傾向にある。しかしながら、若者からは、内装が「白っぽい」ならば構成要素の量は「多い」ほうが好まれ、少し年層の高い30代からは、内装の色どうこう以前に構成要素の量が「多いよりは減らしてシンプルな空間」のほうが好まれる傾向にあるようだ。また、男女の感覚の違いからくる差というのも若干現れているようだ。
②全体の明るさ:全体的な意見として、店舗の明るさは「普通」または「明るい」が好まれる傾向にあるようだ。
~考察~
以上の知見を詳しく検証し、服飾店の魅力を高めるための設計フローチャートを製作した。そして、本研究において、年代や性別によって好まれる空間の特徴を把握した。今後服飾店を計画する際は、利用する年代や性別を想定し、それに見合った空間を設計することが大事になってくると言えるだろう。
(文責 臼井悠)

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